1. はじめに
埼玉県飯能市に位置する「喜多川キャンピングベース」は、2020年にオープンした比較的新しいキャンプ場です。奥武蔵の自然に抱かれながら、木々の香り、川のせせらぎ、満天の星空を感じられるこの場所は、都市部からわずか1〜2時間でアクセスできるとは思えないほどの開放感があります。
本記事では、そんな喜多川キャンピングベースで体験できる「テントサウナ」の魅力を徹底的に掘り下げてご紹介します。
この記事を読み終えたとき、きっとあなたも「次のサウナ旅はここにしよう」と思うはずです。自然の中で“ととのう”とはどういうことか。その真髄が、ここにはあります。
2. 喜多川キャンピングベースとは
「喜多川キャンピングベース」(通称:KCB)は、全サイトがウッドデッキ仕様という全国的にも珍しいキャンプ場です。大自然の中でありながら、快適性・利便性を損なわない「都市型キャンプ×ネイチャー体験」を両立させているのが特徴です。
運営は「ホンダアクセス」のアウトドア推進プロジェクトの一環としてスタートし、「クルマで楽しむアウトドアライフスタイル」を体現する場としても知られています。
キャンプ初心者やファミリー層はもちろん、ソロキャンパーやワーケーション目的の利用者にも配慮された作りになっており、サウナ目当ての“サウナー”にも広く支持されています。
3. アクセスと立地
喜多川キャンピングベースの所在地は埼玉県飯能市。西武池袋線「吾野駅」から徒歩約20分、車でのアクセスも良好で、関越道「鶴ヶ島IC」から約40分です。
施設の周辺には、西川材で有名な美林が広がっており、まさに“森の中のサウナ”体験が叶う場所です。近くを流れる川の音が常にBGMとして響き、車の音や都会の喧騒とは無縁の静けさの中に身を置くことができます。
また、都心から電車で90分程度という立地は、週末のショートトリップ先としても魅力的です。
4. サイト構成とキャンプ設備
喜多川キャンピングベースには以下のようなサイト構成があります:
- スモールサイト(1〜2人向け)
- ファミリーサイト(3〜4人向け)
- グループサイト(最大6名)
- フリーサイト(電源なし)
すべてのサイトに共通するのが、ウッドデッキ仕様になっている点です。これにより、雨上がりでも地面がぬかるむ心配がなく、テント設営時の安定感が抜群です。
炊事場、トイレ、温水シャワーも非常に清潔で、ウォシュレット付きの洋式トイレが完備されています。女性キャンパーや初心者にも優しい配慮が随所に感じられます。
チェックインは13:00〜17:00、チェックアウトは11:00。車の乗り入れはできませんが、各サイトには専用のカートで荷物を運ぶスタイルが確立されており、ストレスなく搬入が可能です。
5. テントサウナ体験の流れ
本施設の目玉とも言えるのが、「テントサウナ&ホットタブ」体験。完全予約制で1日1組限定、利用時間は15:00〜19:00の4時間となっています。
5-1. サウナの設営はスタッフ対応
テントサウナは宿泊予約時のオプション選択で申し込むスタイル。設営から薪の準備、ストーブの点火まではすべてスタッフが対応してくれるため、サウナ初心者でも安心です。
サウナテントは大型のMORZH(モルジュ)系で、内部は4人が余裕をもって座れる広さ。断熱構造になっており、熱が逃げにくく、しっかり温度が上がります。
モルジュ(MORZH)とは?テントサウナの最高峰
喜多川キャンピングベースで採用されているテントサウナは、ロシア発の人気ブランド「MORZH(モルジュ)」の製品とされています。
モルジュの特徴は、三層構造の断熱生地。外気温が氷点下でも内部を90℃以上にキープできる保温性の高さは、他の簡易サウナテントとは一線を画しています。表地には撥水性に優れたポリエステル、中綿にはアルミ断熱層、内側には遮熱性の高い布地が使用されており、熱が逃げにくく、ロウリュによる蒸気もよく滞留します。
サイズも広めで、定員は約3〜4名。内部は立って着替えができるほどの高さがあり、木製のベンチやストーブ、温湿度計などが適切に配置されています。
また、煙突付き薪ストーブによって、短時間で一気に90℃超まで温度を上げることが可能。ロウリュによる湿度コントロールも自由自在で、自分好みの「熱さ」をつくり出せます。
このようなスペックの高さから、モルジュは「可搬型サウナの完成形」とも言われ、アウトドアサウナ界隈ではプロユースにも採用されている信頼ブランドです。
喜多川キャンピングベースでは、こうした高機能なモルジュをスタッフが丁寧に設営・管理してくれるため、初心者でも安心して“本物のととのい”を体験できます。
5-2. 西川材とヒノキアロマの贅沢ロウリュ
薪はこの地域の名産である「西川材」がふんだんに使用されており、炎の香りからも土地の文化が感じられます。
ロウリュ用のアロマ水には、地元で蒸留されたヒノキの精油が用意されており、蒸気とともにふわりと立ち上がる香りは、森林浴をしているかのような深いリラックスを誘います。
セルフロウリュももちろんOKで、ひしゃくと桶が用意されており、自分のタイミングで湿度を調整することができます。
5-3. サウナ室内の温度と体感
サウナ室内の温度は、平均して85〜90℃、最大で95℃程度まで上がります。湿度はロウリュによって随時上がるため、体感温度は非常に高く、短時間でしっかり発汗できます。
椅子は木製のローチェアが設置されており、足元にはスノコが敷かれているため、裸足でも快適に過ごせます。ただし、場所によっては非常に熱いです。タオル等を適宜持ち込むのが吉。。
壁面には温湿度計があり、サウナ室内の状態を常に確認できるのも安心ポイント。BGMはなく、川の音や薪のはぜる音のみが響く静寂の世界に、心が自然とととのっていきます。
6. 川の水風呂体験
喜多川キャンピングベースのサウナ体験で特に印象的なのが「天然の水風呂」、すなわち敷地内を流れる清流・北川でのクールダウンです。サウナテントの設置場所から徒歩30秒ほどで川辺にアクセスでき、手軽に“自然の水風呂”へ飛び込むことができます。
階段を下って。。
上流はこちらですが。。
ちょうど良いスペースが!!
水温は季節によって異なりますが、春〜秋であれば12〜17℃前後、真冬になると8〜10℃を下回ることもあります。筆者が体験した初秋の水温は約15℃。冷たすぎず、肌を刺すような感覚もなく、程よく爽快感が得られました。
川底は小石が多く、滑りやすいためマリンシューズなどの着用がおすすめです。また流れのある場所では無理に入らず、岸に近い浅瀬でゆったりと体を冷やすスタイルが安全です。
この川の水質は極めて清らかで、日差しを受けてキラキラと反射する水面を見ているだけでも癒されます。人工の水風呂にはない自然との一体感。それこそがここでしか得られない「ととのい」の源泉です。
7. 外気浴と“ととのい導線”
「外気浴こそがサウナの醍醐味」と語るサウナーは多いですが、喜多川キャンピングベースほど“ととのい導線”は整っていると思います。一定の距離はあります。笑
テントサウナ → 川 → 外気浴の流れが非常にスムーズで、無駄な導線がありません。外気浴用には木製のリクライニングチェアが設置されており、足を伸ばしてゆったりと座れる設計になっています。
椅子に身を沈めると、耳に届くのは川のせせらぎと風の音。視界の先には木々の葉が揺れ、たまに鳥のさえずりが聞こえます。目を閉じて深く呼吸をすれば、体が空に浮かぶような感覚になります。
この状態をサウナーは“無”と呼びます。脳内のノイズが消え、思考が静かに停止し、ただ生きている実感だけが残る瞬間。まさに、心身が整うという言葉を体現した時間でした。
8. 夜の星空とホットタブ体験
テントサウナと並んで高い人気を誇るのが「ホットタブ」、つまり薪焚きの露天風呂です。直径約150cmの木製タブに地元の薪をくべて温める仕組みで、サウナの後にゆったりと体を温め直すことができます。
柄杓も大きいので感覚がバグりますが、3人くらいなら余裕で入れる大きさです。
驚いたのは、その湯の温度管理。薪のくべ方を調整することで、40〜42℃の絶妙な温度がキープされ、長時間入浴しても湯あたりしません。
夜になると、タブの中から見上げる星空が圧巻です。人工的な光がほぼ無いため、天の川まで肉眼で確認できるほど。湯けむりの中、ただ空を見つめる贅沢な時間は、サウナと外気浴の延長として最適な締めくくりになります。
ちなみにホットタブにもヒノキのエッセンスが使われており、香りによるリラックス効果も抜群です。体だけでなく心までほぐれる、極上の“森の温泉”体験と言えるでしょう。
9. サ飯とキャンプの余韻
サウナの後には「サ飯」。これも欠かせません。キャンプのご飯もいっそう美味しく感じることでしょう。。
サウナ後は味覚が鋭くなっているため、普段以上に食事がおいしく感じられるのも事実。キャンプとサウナの相乗効果がここでも発揮されているのです。
食後には焚き火を囲んでのんびりと過ごす時間も格別。日が落ちて一気に気温が下がる中、火の暖かさが身に沁み、自然の中に身を置いている実感がじわじわと心を満たしてくれます。
10. まとめ 〜 サウナーにこそ訪れてほしい“森のテントサウナ”
喜多川キャンピングベースは、ただのキャンプ場ではありません。ここは、都会では決して味わえない「五感が研ぎ澄まされる体験」が待つ場所です。
特にテントサウナにおいては、サウナ室の熱さ、薪の香り、川の冷たさ、木の肌触り、満天の星空——すべてが計算されているかのような“整い導線”が用意されており、どの瞬間も純粋な喜びに満ちています。
1日1組限定という希少性も、体験価値を高めてくれます。混雑とは無縁の静けさの中で、心身を空に還すような感覚。これは他の施設ではなかなか得られません。
予約は公式サイトから可能で、テントサウナ・ホットタブ体験は宿泊とセットで申し込む形式です。特に週末は人気のため、2〜3ヶ月前の予約をおすすめします。
結論として、この場所は「ととのい」を追求するすべてのサウナーに捧げられた、究極のキャンプサウナ拠点です。あなたの次のサウナ旅が、ここから始まりますように。